東京高等裁判所 昭和52年(ネ)2351号 判決
控訴人が、昭和五〇年八月二八日義昌らから本件(一)、(三)の土地を買受けたことは、前認定のとおりであり、控訴人が、同月二九日その所有権移転登記を経由したことは、当事者間に争いがない。そして当時、次作が、控訴人の前主である義昌らに対し本件(一)、(三)の土地につき建物所有を目的とする賃借権を有していたこと、被控訴人両名が、義昌らの黙示の承諾を得て、右土地につき同人らに対抗し得る転借権を有していたことは、前説示のとおりであり、一方、転借人である被控訴人愛作が本件(二)の建物につき、同正喜が本件(四)の建物につき、それぞれ自己の所有名義の登記を有していたことは、当事者間に争いがない。思うに、転貸借も、賃貸借であることに変りはないから、建物保護ニ関スル法律第一条の適用があるものと解すべく、したがって、右事実関係のもとにおいては、被控訴人らは、右各転貸借をもって、換言すればその存立の基礎となっている賃貸借をも含めて、義昌らから右土地の所有権を取得するに合わせて賃貸人たる地位を承継した控訴人に対し、対抗することができるというべきである。
(杉田 蓑田 松岡)